「リスキリング」って言うけど、実際に何のスキルや力をどのように習得すればよいのか分からない

how to reskill

ChatGPTなどの生成AIが世の中に強い影響を及ぼし始めた現在、社会人または学生として、実際に何のスキルや力をどのように習得すればよいのか分からない。と思っている人が多いのではないでしょうか。

私もその一人です。正直、この先、どうやって適応していけばよいのか、攻略本でも欲しい所です。それこそ、ChatGPTにでも質問すれば、自分で考えるよりも良い回答が返ってくるかもしれませんが。

ただ、その前に、一度、自分なりに整理・分析してみたいと思います。なぜなら、問いを立てる力と、答えの妥当性を判断する力を高めていく必要は残りそうなので。攻略本とまではいきませんが、何かしらの参考になればと思います。

1. 結論

先に結論を述べると、以下のように考えました。

Q1. 何のスキルや力が必要?

ざっくりと言えば、新しいテクノロジーの知識と、それを何かに効果的に適用する応用力が必要です。現時点の主流なテクノロジーは、データサイエンスや生成AI、ノーコード開発、量子コンピュータ、ブロックチェーンなどが挙げられるでしょう。

new technology

Q2. どのように習得すればよいのか?

目の前の課題や潜在的な課題に対して、新しいテクノロジーを適用しながら(試行錯誤)、その知識や応用力を習得していくのが良いと思います。

2. 考察

2-1. テクノロジーの選択

ここで、新しいテクノロジーについて、どの分野をどの程度、習得すればよいのかと言う疑問が出てきます。その答えとしては、大きく2つの方針が考えられます。

  • スペシャリスト型(特定の分野を深掘りする)を目指す
  • クリエイター型(複数の分野を組み合わせる)を目指す

おそらく、多くの人は「スペシャリスト型」になると思います。スペシャリスト型の場合は、自分の適性や興味関心、テクノロジーの将来性などを考えて、分野を1に絞り、90点以上まで強化していく必要があります。そして、その分野で求められた仕事を完成させていくことになるでしょう。

一方、「クリエイター型」は少数派です。クリエイター型の場合は、社会情勢やテクノロジーの将来性などを考えて、2つ以上の分野を、それぞれ最低60点まで強化していく必要があります。そして、それらを組み合わせて新しい価値を創造していくことになるでしょう。

2-2. 習得プロセス

新しいテクノロジーを効率的に習得するためには、以下の図に示したプロセスを繰り返すのが良いと考えます。

learning process

自分なりのテーマ(課題や目標)を設定・調整する

先ず、「Step.1」が2つあることに注意しましょう。これは同時並行で進める必要があるということです。なぜなら、両者はお互いにポジティブに影響し合う関係だからです。

つまり、テーマがあるから、それに関連するテクノロジーが浮かび上がります。また、テクノロジーを知っているから、それを適用できそうなテーマが浮かび上がります。片方だけでは、いずれ止まります。両方を交互に実行して、化学反応させていくのがセオリーです。

なお、自分なりのテーマを探すのは結構難しいです。ただし、これがないと進みは遅く、途中で止まります。仮でよいので、自分なりのテーマを持ちましょう。並行してテクノロジーを学んでいけば、少しずつテーマも変わっていきます。だから、最初にあまり深く考える必要はありません。

関連するテクノロジーの本質や体系的な知識を学ぶ

ネットや書籍、新聞、セミナー、知人などから情報を集め、テーマに関連しそうなテクノロジーが何なのか探します。そして、少しずつでも良いので体系的な知識を身につけていきましょう。ある程度、身に付いたら、すぐに次のステップに進みましょう。

注意ここで、完璧を目指し過ぎると、いつまで経っても次のステップに進めなくなるので要注意。

テーマに対してテクノロジーを適用する

自分なりのテーマの解決や実現に向けて、何かしらのモノを作ってみたり、コトを実行してみます。そして、それを公開したり、誰かに提供してみましょう。そこで何かしらの反応(フィードバック)が得られると思います。この結果を分析すれば、プロセスの「Step.1」を再加速させる栄養素となるでしょう。

3. ケース学習

少し概念的な話が続いたので、補完するために私自身が実践しているケースを紹介します。現在、ITスクールを運営しているのですが(これが私のテーマ)、こちらのページで卒業生に依頼しているお仕事の内容を考えるプロセスを通して、私自身のリスキリングを試みています。

guild

日々、ネットや書籍、新聞などから生成AIやノーコード開発の知識と事例を調べながら勉強しています。そして、ITスクールの運営で発生する課題の解決や、さらなる価値の創造に対して、学んだテクノロジーを適用しています。

テクノロジーの観点では、実際にデータサイエンス(データから価値を創造)を実践するのは、想像していた以上にハードルが高いと感じています。なぜなら、まだ事業の規模が小さいため、独自のデータを集めるのが困難だからです。

当面は可能性を探りながら、あまりデータに固執し過ぎずに、ユーザー(ITスクールの生徒さん)にもっと目を向けていきたいです。ユーザーへのサービス提供を通して、潜在的な課題を探り、これを生成AIやノーコード開発などを使って解決していくことに注力しようと思います。

まとめ

今回は、「リスキリング」について、実際に何のスキルや力をどのように習得すればよいのか、自分なりに整理・分析してみました。現時点の主流なテクノロジーを取り上げながら、その習得プロセスについて考察しました。

昨今は、テクノロジーの進化が速すぎて、どのように適応していけばよいのか不安に感じる人も多いと思います。私もその一人です。

歴史を振り返れば、テクノロジーの進化の過渡期は、様々な混乱を生み出してきたようです。このような過渡期においては、少し長期的な視点で物事を考えるのが良いと思います。目の前の混乱に気を取られ過ぎないようにし、大きな流れを捉えながら、しっかりと対策していきましょう。