本シリーズでは、ITスクール「First」の事業運営におけるIT・デジタル活用の具体的な事例をご紹介していきます。今回は、RPAソフト「Power Automate Desktop(PAD)」の講座で使用する学習教材を制作したいと思います。
1. 課題設定(ストーリー)
現在、ITスクール「First」では、RPA講座を提供しています。当講座ではRPAソフト「UiPath」を使用しています。
ある日、ITスクールの代表は考えました。
『最近、PADが無料化されたこともあり、勉強したい人が増えてくるかも』
『今の講座はUiPathしか選択肢がないので、他のRPAソフトも加えたいな』
RPA講座の学習教材は「課題ベース」で制作しています。特定のRPAソフトに依存しない形式なので、演習で使用するソフトが変わっても特に問題はありません。
『RPAソフトによって多少の機能の差はあるだろうけど、本質的な部分は同じだろう』
『よし、今の教材をベースに、PAD版の学習教材を作ってみるか』
2. 解決方法
既に存在するUiPath版の学習教材(ブログ記事)をPAD版に仕立て変えます。下記は、ITスクール「First」のRPA講座シリーズの全体像です。今回は、「Lv.1 初級講座」で使用する学習教材を制作します。
課題内容は全く同じにします。課題を解く際に使用するRPAソフトが変わるだけです。しかし、RPAソフトによって、使えるアクティビティ(アクション)が異なるため、差分を埋めるための工夫が必要になってきます。
3. 結果
今回制作したPAD版の学習教材(ブログ記事)を下記に掲載します。参考に、UiPath版の学習教材(ブログ記事)も掲載しておきます。誰でも無料で閲覧できるので、試しにチャレンジしてみてください。
No. | 課題タイトル | 難易度 | PAD版 | UiPath版 |
---|---|---|---|---|
1 | Webデータ取得(テキスト編) | ★☆☆☆☆ | 課題1 | 課題1 |
2 | Webデータ取得(テーブル編) | ★☆☆☆☆ | 課題2 | 課題2 |
3 | Webデータ取得(構造化編) | ★★☆☆☆ | 課題3 | 課題3 |
4 | Excelリストを用いた繰り返し処理 | ★★★★☆ | 課題4 | 課題4 |
5 | Excelリストを用いたメール送信(条件分岐) | ★★★☆☆ | 課題5 | 課題5 |
6 | 複数の受信メールからのデータ抽出(正規表現) | ★★★★★ | 課題6 | 課題6 |
4. 考察
今回は、RPAソフト「Power Automate Desktop(PAD)」の講座で使用する学習教材を制作しました。結果的に、下記の目的を達成できたと思います。
- PADを勉強したい人に学習教材を提供する
- 既存のRPA講座に新しいRPAソフトの選択肢を加える
実際に、PADを使って課題に取り組んでみると、ほぼ問題なく全ての課題を解くことができました。RPAソフトが変わっても支障がなかった理由としては、私が元々プログラミングのスキルを身につけていたからです。特定のRPAソフトの機能を学ぶのと並行して、「プログラミング」の基礎も習得していく方が、上達がはやいと思います。
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